JEITAがノートPCのバッテリ動作時間測定法を改訂―2001年の策定以来初

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一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)が、ノートPCのバッテリ動作時間測定法「JEITAバッテリ動作時間測定法」を改訂することを発表したそうです。

この測定法は、日立やらSONYやら東芝やらの国内メーカーだけでなく、ASUS, Acer, Lenovo等の海外メーカーでも多くのメーカーが採用1していて、カタログなんかに記載されているバッテリー使用時間の数字が、この測定法に則って測定されたモノ。

Windows搭載のノートPCを使っている(た)人ならわかると思いますが、カタログに載っているバッテリー動作時間が、如何にあてにならないか分かると思います。

それも当然、この測定法、2001年に策定されて以来、13年間一度も変えられずに使われ続けてきており、内容も時代遅れとかいうレベルではないのです。
そのあてにならない「JEITA-BAT1.0」とか「JEITA動作時間測定法(Ver.1.0)」がどんなものか、簡単に説明をば。

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測定法(Ver.1.0)の内容

測定法の内容を簡単に、高負荷と低負荷、2つの条件で測定し、それを2で割って平均を算出。
端数は小数点第1位まで、約5.5時間のように書けばOK。

ここまでは至って適切な内容、問題はその測定条件。

測定法a(高負荷時想定)の条件が

画面輝度を20cdとしMPEG1の動画ファイルをハードディスクから読み出しながら連続再生する時間を測定する

via: JEITA

画面輝度20 cd/m2!

日中の屋外で視認可能であるにはおよそ300cd/m2程度の明るさが最低限必要だそう。
その1/15である20 cd/m2というと相当暗い。

というか、20 cd/m2まで通常では下げられないような2……

その他の条件は

  1. 音量: 最低(ミュートでも可)
  2. 動画再生ソフト: 規定なし
  3. 再生画面の表示サイズ: 等倍(320 × 240)
  4. バッテリが何%まで落ちたら、終了とするか: 規定しない
  5. バッテリの状態(劣化具合など): 規定なし
  6. その他電源管理: 規定なし
  7. 動画ファイルの格納場所: 再生中は常にHDDから読む
  8. 測定中の他のアプリケーションの扱い: 規定なし

320 x 240のMPEG1ファイルを再生し続ける(しかもミュート)のを高負荷とはとても言えない上、一番の問題は無線接続が条件に入っていない点。

ノートPCで無線LANを使用しない場合を想定してどうするのかと。

そして測定法b(低負荷時想定)は以下。

  1. 液晶輝度:設定可能な輝度で最低値
  2. 測定中の他のアプリケーション:規定なし
  3. バッテリが何%まで落ちたら、終了とするか:規定なし
  4. HDDの電源制御:規定なし(測定中にHDDがOFFでもOK)
  5. その他電源管理:規定なし

規定なしのオンパレードで、もはや何も規定されていないといって良いレベル。

これ、つまり「最低輝度でデスクトップを表示、バックグラウンドで動作するアプリも全て切った上で放置」した場合って事に……

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今回の改訂内容

この散々な内容の測定法、今回の改訂(Ver.2.0)でどこか変わるのかというと

変更は測定法aに対するもので、画面輝度を150cd/平方mへ引き上げることや、無線LANをアクセスポイントへ接続した状態で行なうこと、動画ファイルがH.264/AVC形式のものへ変更され、フルスクリーン再生することが定義されるのが主なポイント

via: PC Watch

との事で、測定法aのみの変更とはいえ、多少はまともになった模様。
相変わらず緩い条件といえば緩いままですが……

今までの「カタログスペックの7割が実際の数字」から、「8割程度は保つ」が常識になるかも?

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p class=”via”>via: PC Watch

  1. ただし、日本国内販売の時だけこの測定法で測った時間がカタログに記載してあったりする []
  2. ちなみに最近のデスクトップPC向けに売られているモニタだと、大体50-350 cd/m2程度の間で調整可能 []

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