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VideoCardz.comが、「Vega」アーキテクチャ搭載のAMDの次世代ハイエンドGPUに関する情報を公開。ソースの“a very good source”が気になる。
こっちも同じくVideoCardz.comが公開した、AMDのプレゼンテーションデータ(スライド?)からゲットしたとするロードマップと、Vega搭載ハイエンドカードの情報。
それによると、「Vega 10」コア搭載カードは2017年上半期にリリース予定で、コンピュートユニット(CU)数は64基、16-bit演算性能は24TFLOPsとのこと。アーキテクチャは、14nmプロセスで製造される「GFX9」。メモリは16GBのHBM2で、帯域幅が512 GB/s。TBPは225W前後。さらに「デュアルVega 10」も2017年第2四半期にリリース予定で、こちらのTBPは300W前後とのこと。
今回が初めて名前が出てきた「Vega 20」コアは、7nmプロセスで製造される「GFX9」アーキテクチャを採用し、CU数が64基、32GB HBM2メモリ搭載で帯域幅が1 TB/s、TBPが150W前後。PCI-Express 4.0をサポートするとか。プロセスノードが違うのに、アーキテクチャの名前が同じGFX9なのはどういうことなのか……
「Polaris 10」の後継となる「Vega 11」も、来年にリリースされる予定らしい。仕様は不明なものの、Vega 10と同じ14nmプロセスで製造されそう。Polaris 10はコンシューマ向けの「Radeon RX 480」にも使われてますが、ここでの話は「Radeon Pro」シリーズとしてリリースされるGPUの話なので、RX 490がそうなるって話ではない。
とはいえ、「Polaris 10ベースの(コンシューマ向け)Radeonが来年にリリースされない訳では無い」とか書いてるので、コンシューマがスルーされる訳じゃないんでしょう、多分。記事書いてるWhyCry氏も、入手した情報がサーバー向け製品の情報だけで何も分からない様子。
気になるVegaとNVIDIA「Pascal」との比較では、Vega 10がHBM2メモリ8 GBチップを2つスタック(積層)した16 GB構成なのに対し、GP100コア採用のTesla P100では4 GBチップを3スタックした12 GB構成(NVLink版は4スタックした16 GB構成)。帯域幅としては、容量が少ないTesla P100の方がスタック数が多いぶん広い。
WhyCry氏は、この2スタック16 GB構成HBM2がRadeon RXシリーズでも採用されるか分からんと書いてますが、コンシューマ向けに8 GBモジュールを使うとは思えないので、Radeonは最上位でも4 GBモジュール2スタックの計8 GBになるんじゃないかと。
つか8GBモジュール使うのと、4GB 3スタックでスタック数増やして歩留まり低下するのと、どちらがコストが高いのか分からんなぁ。
ちなみにデュアルVega 10では4スタックで帯域幅1 TB/sになるそうな。ちょーはやい。
気になるのは、Vega 10の倍精度浮動小数点演算性能が、750 GFLOPsと単精度の1/16しかない点。これについては、Vega 20で単精度の半分まで向上していること、Vega 10リリース時点で倍精度演算が速いHawaiiがまだディスコンになっていないこと(下のロードマップ参照)が理由っぽいとしてます。
なおVegaの後継となる「Navi 10/11」コアは2019年リリースにズレ込むらしい。
ついでにAMDは、コンシューマ向けでは生産が終わっている「Fiji」をサーバー向けに投入するようで、「Radeon Pro S9 Nano」なるカードをリリース予定らしい。仕様は不明なものの、多分Radeon R9 Nanoから変わらんかと。
またAMDは、NVLinkに対抗した、GPU同士でP2P通信可能なインターコネクト「xGMI」を開発中で、2018年に「Zen」アーキテクチャベースの「Naples(ナポリ)」コア1とVega 20で利用可能になるとのこと。
表はこんな感じ(※は浮動小数点演算性能)。
GPU | Vega 11 | Vega 10 | デュアルVega 10 | Vega 20 | TESLA P100(GP100) |
---|---|---|---|---|---|
発売時期 | 2017年 | 2017年上期 | 2017年下期 | 2018年下期 | もうすぐ出荷 |
アーキテクチャ | 14 nm GFX9 | 14 nm GFX9 | 14 nm GFX9 | 7nm GFX9 | 16 nm Pascal |
CUs/SMs | ? | 64 | 64×2 | 64 | 56 |
メモリ | ? | 16GB 2スタック HBM2 | 4スタック HBM2 (32 GB?) | 16/32 GB 4スタック HBM2 | 12/16 GB 3/4スタック HBM2 |
帯域幅 | ? | 512 GB/s | 1 TB/s | 1 TB/s | 540/720 GB/s |
TBP/TDP | ? | 225W | 300W | 150-300W | 250W |
インターフェイス | PCIe 3.0 | PCIe 3.0 | PCIe 3.0 | PCIe 4.0/xGMI | PCIe 3.0/NVLink |
倍精度※ | ? | 750 GFLOPs | ? | ? | 単精度の1/2 4.7 TFLOPs |
単精度※ | ? | 12 TFLOPs | ? | ? | 9.3 TFLOPs |
半精度※ | ? | 24 TFLOPs | ? | ? | 18.7 TFLOPs |
サーバー向けGPUのロードマップは以下の通り。
用途/年 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 |
---|---|---|---|---|
HPC | Hawaii | Hawaii | Vega 20 | Vega 20 |
深層学習 | Fiji | Polaris 10 | Vega 10/Vega 10×2 | Navi 10/Navi 10×2 |
推論 | Radeon Pro | S9 Nano | Polaris 10/11 | Vega 11 |
Naviコアのリリースが2019年になっているのは、Vega 20コアをリリースする影響っぽい。コアの製造を請け負っているGLOBALFOUNDRIESが、AMDへ7nm FinFETの提供を行うと発表した際に、7nm FinFETプロセスの初回製造は2018年初頭予定としているので、Vega 20が早くても2018年Q1まで出ないことから、後継のNaviはその翌年になるっつー話。
今回のリークは信憑性に難アリ?
今回のリーク情報はVega 10がTDP 225Wなのに、Vega 10×2が300Wしか喰わない2とか、HBM2の8GBモジュールをそんなに確保できるのかとか、幾つか疑問点があるので、ちょっと信憑性に欠けるかな……そもそもサーバー向けのハイエンドカードなんて手が出ないから、間違ってても関係ないと言えば関係ないんだけど。
コメント
GPUは今はNVIDIA一強という感じですがAMDに市場拡大の余地はあると思いますか?
CES 2017でのVegaの発表を見る限り、かなり意欲的な設計を採用しているようなので、それが吉と出ればゲーミング市場でのシェアは回復できるかもしれないですね。