ぶっ飛んだパーツが出てきた。
PC Watchによると、PC向けのメモリを扱っている台湾のメーカー、Apacer Technologyが、21日(台湾時間)にストレージ用のスロットを搭載したDDR3 SDRAM「Combo SDIMM」を発表。
Combo SDIMMは、DDR3-1600対応の8GBモジュールの上部に、M.2またはCFastスロットを搭載した製品。
メモリとSSDの夢のコラボ。かつてのASRockを彷彿とさせる浪漫に溢れた発想……むしろ浪漫しか無い。
- M.2
- 最近のノートPCなんかで使われている小型拡張カードの為の仕様。主にSSDやWi-Fiカードに使われている。
- CFast
- コンパクトフラッシュ (CF)の後継として作られた規格で、カードの大きさはCFと同じままにSATA端子をそのまま載せたヤツ。
ちなみにCFと同様、一部のカメラや産業用機材に使われている。全然流行ってない。
ストレージの信号はCombo SDIMMの左上の7ピン端子にSATAケーブルを繋げてマザボのSATAスロットと接続。
要は、追加したSSDからするとDIMMスロットは電源供給の役割しか無い。
だったら最初からSATAに挿すでしょ……
Apacer Technologyとしては主に業務用向け(組み込み向け)を狙っているらしく、曰くCombo SDIMMを使うメリットとして
- メモリとストレージがまとめられる(物理的に)からケースの中がスッキリする。
- マザーボードにM.2やCFastソケットがなくてもそれらのストレージが使える。
等を挙げてます。
なるほど、余ったM.2 SSDとかCFastカードとか有効活用したい時とかにピッタリですね。M.2 SSDもCFastカードも持ってないから分からないけど。
ちなみに、Combo SDIMMのM.2版が対応するM.2 SSDのサイズは、2242/2260/2280の3種。
上の写真は一番短い2242サイズのSSDが装着された状態で、その右にあるのが2260と2280サイズのSSDを固定するためのねじ穴らしい。
右端にあるねじ穴は配置的に22110用っぽいものの、Apacer Technologyのプレスリリースには2280までの対応しか記載無し。
搭載SSDの最大容量が256GBまでなのは消費電力の問題かな?
CFast版は、CFast2.0対応のカードが使用可能。こちらの最大容量は128GBまで。
Combo SDIMMの高さは41.3mmと、余計なスロット載せてる割には控えめな高さ。
一般的なDDR3 DIMMが30mmなので、ちょっと大きめのヒートシンク載せたゲーマー向けのメモリなんかと同程度かと。
ただし、CFast版の場合はCFastカードが上に大きくはみ出す為、多分大抵のCPUクーラーと干渉します。
とまぁかなりのキワモノって感じだけど、メーカーは需要があると踏んだから作ったんでしょう……(需要あるらしい1)
外観からは、ともすれば面白系グッズにありがちな「合体させただけ系」の
サンコー度や上海問屋度が高いデバイスにも見えるCombo SDIMMですが、実はDDR3メモリやシリアルATA 6Gbpsのストレージデバイスは、普及しているとはいえ、本来はかなり微細、かつエラーが起こるとPCが停止するような重要信号を扱う部分です。外観とはうらはらに、信号端子を分けていようとも、こうした状態で安定動作させるのは思いつきでできるほど容易ではありません。その点で技術的にもなかなか興味深いデバイスと言えそうです。
とまとめてますが、確かに、仮にも組み込み機器向けに出すなら動作の安定性とかシビアに考えていないと問題だし、意外と手が込んでいる……のかもしれない。
現在サンプル出荷中とのこと。発売時期や価格は未定。
最低限の拡張性が保証されているコンシューマ向けではあまりメリットがない製品だが、拡張性に乏しい組み込み向けではとても有用。より小型化が進む組み込み機器では、このような“2 in 1”モデルの需要が高くなってきている
(エルミタージュ秋葉原)らしい。世界は広い。 ↩
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