9月1日、NVIDIAからRTX 30シリーズが正式発表されました。発表されたのはGeForce RTX 3090/3080/3070の3製品。
RTX 3090/3080/3070の仕様一覧
NVIDIAの公式Webから確認できる仕様の一覧がこちら。
RTX 3090 | RTX 3080 | RTX 3070 | |
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アーキテクチャ | Ampere | Ampere | Ampere |
製造プロセス | Samsung 8N | Samsung 8N | Samsung 8N |
CUDAコア | 10,496 | 8,704 | 5,888 |
ベースクロック | 1.4 GHz | 1.44 GHz | 1.5 GHz |
Boostクロック | 1.7 GHz | 1.71 GHz | 1.73 GHz |
VRAM | 24 GB GDDR6X | 10 GB GDDR6X | 8 GB GDDR6 |
メモリバス | 384-bit | 320-bit | 256-bit |
接続インターフェイス | PCIe 4.0 x16 | PCIe 4.0 x16 | PCIe 4.0 x16 |
映像出力 | HDMI 2.1, DisplayPort 1.4a x3 | HDMI 2.1, DisplayPort 1.4a x3 | HDMI 2.1, DisplayPort 1.4a x3 |
HDCP | 2.3 | 2.3 | 2.3 |
最高温度 | 93℃ | 93℃ | 93℃ |
消費電力(TGP) | 350 W | 320 W | 220 W |
推奨電源 | 750 W | 750 W | 650 W |
補助電源 | PCIe 8-pin x2 | PCIe 8-pin x2 | PCIe 8-pin x1 |
NVLink | 対応 | – | – |
サイズ(W x H x D) | 313 mm x 138 mm x 3スロット | 285 mm x 112 mm x 2スロット | 242 mm x 112 mm x 2スロット |
米国内発売日 | 9月24日 | 9月17日 | 10月 |
税別米国小売希望価格(国内目安価格) | $1,499(¥229,800) | $699(¥109,800) | $499(¥79,980) |
高すぎると話題になっていた日本サイトの価格については、目安の価格であり国内販売代理店の価格を示している訳ではない模様。なおビデオカード絡みにおけるMSRP表記は、事実上NVIDIAが販売を許可する最低価格を示すものであるため、アメリカでもMSRPで製品が売られることはまずありません。
冷却性能をケチったブロワーファン搭載カードなどが最安になるのが通例でしたが、今回のカードはTDPが高く冷却周りをケチるとまともに動きそうにないため、そういったカードが出てこないと考えると、米実売価格は最安カードでもMSRP+150~250ドル程度になるかと(それなりのOCカードなら3080で1,000ドル超えてきそう)。
RTX 3080ならFounders Editionで699ドル+150ドル(FEクーラー分)で850ドルと仮定すると、850*106(ドル円レート)+1.1(消費税)+5000(送料)で104,110円で、公式ページの参考価格が税込11万であれば、個人輸入と大差はないかな……税別表記だったり699ドルベースでこれなら高いですが。
“第2世代RTX”となるAmpereアーキテクチャ
GPUアーキテクチャは、HPC向けに先行して投入されている「NVIDIA A100」と同じAmpereアーキテクチャを採用。第2世代のRT(レイトレーシング)コアと第3世代のTensorコアを備えており、インターフェイスはGeForce初のPCIe 4.0接続となっています。
製造プロセスノードはSamsungの8nmで、NVIDIAによればカスタムされた「Samsung 8N」であるとのこと。
アーキテクチャとプロセスノードの話は長くなりそうなので別に起こしたい。
世界初の8KゲーミングGPU、RTX 3090
RTX 3090は、リークされていた通りFounders Editionで3スロット占有の大型カードとして登場。
シェーダFLOPSは36 TFLOPS、RT FLOPSは69 TFLOPS、Tensor FLOPSは285 TFLOPSで、VRAMに24GB GDDR6Xを搭載。メモリはやはり両面実装らしい。
世界初の「8KゲーミングGPU」を謳っており、DLSSを有効にすればRTX Onの8Kゲームが楽しめるとのこと。ShadowPlayも8K HDRの録画に対応する。
MSRPは1,499ドルで、1,199ドルだった2080 Tiから値上げされましたが、Titan RTXの2,499ドルと比べると大幅に値下がっている。
実際VRAMの盛りっぷりからも察せられるように、2080 TiというよりはTitan RTXの後継として用意されたっぽいので、比較するべきはTitan RTXということでしょう。
8Kの実パフォーマンス(平均fps、全てグラフィック設定:高)については、レイトレーシングおよびDLSS非対応タイトルで60~108 fpsを記録。そもそも動作が軽いRocket Leagueの108 fpsはともかく、それなりに重いApex Legendsで65 fpsが出せているのは注目したい。
負荷の高いDeath Strandingは32 fpsですが、DLSS Onで78 fpsまで向上。RTX対応タイトルでみると、ControlがRTX Onのみの8 fpsから、RTX+DLSSで57 fps、Wolfenstein: Youngbloodが26 fpsから74 fpsまで改善している。
既存タイトルでここまで動くなら、8K対応もあながち誇大広告とは言えないかも。
2080から性能2倍のRTX 3080
RTX 3080は、シェーダFLOPSが30 TFLOPS、RT FLOPSが58 TFLOPS、Tensor FLOPSが238 TFLOPSという仕様。
VRAMは10GB GDDR6Xで、3090と異なりメモリは片面のみ実装。MSRPは699ドルで、RTX 2080やRTX 2080 SUPERから据え置き(ついでにGTX 1080 Tiとも同じ)。
性能比では、RTX 2080比で最大2倍の性能を謳っている。紛らわしいですが比較対象はあくまでRTX 2080で、RTX 2080 SUPERから2倍の性能ではないので注意。
4K解像度+最高設定でのFPS比較では、Borderlands 3でRTX 2080(前世代)比1.8倍/GTX 1080(前々世代)比2.56倍、Minecraft (RT+DLSS On)で1.96倍/75.29倍、Control (RT+DLSS On)で1.79倍/15.96倍という性能に。
RTXもDLSSも使えないBorderlands 3で、30 fps台だったRTX 2080から1.8倍の60 fps超を記録しているので、確かに2倍近い性能向上が見受けられる。RTX+DLSS有効時のMinecraftとControlに関しては、DLSSの効果で80 fps近くまで上昇している。
2080 SUPERとの比較では、2倍とまではいかずとも1.5倍以上の性能アップはある様子。
2080 Tiの性能で半額以下のRTX 3070
RTX 2070/2070 SUPERの後継となるRTX 3070は、シェーダFLOPSが20 TFLOPS、RT FLOPSが40 TFLOPS、Tensor FLOPSが163 TFLOPS。
VRAMは上位2モデルとは違い、20シリーズと同じGDDR6を8GB搭載。発売も少し遅れて10月予定。MSRPは499ドルで、1,199ドルだった2080 Tiに匹敵する性能を半額以下で提供するとのこと。
WQHD(1440p)でのFPS比較は、Borderlands 3でRTX 2070(前世代)比1.6倍/GTX 1070(前々世代)比2.32倍、Minecraft (RT+DLSS On)で1.67倍/100.09倍、Control (RT+DLSS On)で比1.51倍/12.73倍。30シリーズで一番コスパが良くみえる。
2070 SUPERとの比較では、1.3~1.6倍程度の性能となる模様。1080p環境なら100 fps超を狙うのに3070の性能はちょうどバランスが取れているので、未発表の3060次第ですが一番売れ筋のカードになりそう。
実ベンチマークスコアの解禁が待たれる
とここまでの性能比較はすべてNVIDIAの公称値なので、実際のゲームでもここまでの性能差が出せるのか、ベンチマークスコアの情報解禁が待たれます。
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