コスパは最高?のTHX AAA搭載ヘッドホンアンプ「S.M.S.L SP200」

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10月にTHX AAAテクノロジーを搭載したヘッドホンアンプ「Drop + THX AAA 789」のレビューを書きましたが、その後中国SMSL (Shenzhen ShuangMuSanLin Electronic Co., Ltd.)から、同じくTHX AAA採用のデスクトップヘッドホンアンプ「SP200」が発売されてました。

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S.M.S.L
¥31,500(2020/02/29 14:38時点)
米国THX社提供した最新の特許技術の「THX AAA-888」アンプ回路を搭載したヘッドホンアンプ!

THX AAAは、低雑音アンプを実現する米THX社の特許技術。用途別にいくつかのリファレンス回路設計がありますが、SP200は最上位の「AAA-888」(モノアンプ回路x2構成)を採用しているとのこと。THX AAAの細かい話については「Drop + THX AAA 789」のレビューで書いたのでそちらをどうぞ。

手持ちのDrop + THX AAA 789は本当に低ノイズで、THX AAA-888ベースという時点でSP200もノイズの少なさは約束されていると言って良いでしょう。

価格はAmazon.co.jpのマーケットプレイス価格(メーカー公式)で31,500円と、流石中華メーカーだけあってTHX AAA採用のデスクトップHPAとしては2019年末時点で最安。こちらもDrop + THX AAA 789と同じく単機能HPAなので、DACは別途必要。

およそ15cm四方とフットプリントがコンパクトで、その割に入出力共にバランスとアンバランス両方を揃えているので、かつ安いとなればかなり魅力的。何故か平行四辺形デザインな理由は謎(SMSLの他の製品は直方体なのに何故……)。

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仕様

入出力

以下は公称仕様。本体に電源を内蔵しているので邪魔になるACアダプターがないのも地味なポイントながら評価したい。

製品SMSL SP200
出力端子6.35 mm金メッキTRS標準フォーン
3.5 mm TRS金メッキステレオミニ
入力端子3ピンXLRキャノン(バランス)x2
RCA(アンバランス)x2
ゲインLow: +6dB
High: +18dB
出力インピーダンス約0Ω
出力(片チャンネルあたり)6,000 mW @ 16Ω
3,000 mW @ 32Ω
440 mW @ 300Ω
220 mW @ 600Ω
周波数応答0.1 Hz – 500 kHz (-3dB)
出力ノイズ2.8 μV(A特性)
信号対ノイズ比(SNR)130 dB(A特性)
全高調波歪(THD)-125 dB (0.00006%) @ 1 kHz, 32Ω
全高調波歪+ノイズ(THD+N)-122 dB (0.00007%) @ 1 kHz, 32Ω
-117dB @ 20 – 20 kHz, 32Ω, -3dB
サイズ160 x 149 x 73 mm
重量772 g

PCB

THX AAA回路のクローズアップ。右に「OPA1612」刻印のチップが見える。

Drop + THX AAA 789のレビューで触れていますが、本来のTHXAAA-888のリファレンスデザインは入力オペアンプが「OPA1612」なのでは?という話が出てました。SP200のPCB写真のオペアンプの刻印を見ると「1612A」とあるので、その話に真実味が出てきましたね。

測定値

お馴染みAudio Science Reviewの測定では、Drop + THX AAA 789と比べると若干劣るものの、流石の低ノイズを記録。

ただし最高SNRは同等ですが、出力を絞って合わせた50 mV条件では7 dBの差を付けられているので、絞って使う場合はDrop + THX AAA 789に軍配が上がります。

ASR実測値SP200(SMSLサンプル品)
THD+N0.000142% @ 1 kHz, 5.695 V, 600Ω
SINAD116.948 dB
SNR123.285 dB
82.894 dB @ 50 mV, 600Ω
出力(Gain Low / High)200 mW / 326 mW @ 300Ω
1.8 W / 2.9 W @ 33Ω
出力インピーダンス1.3Ω
ステレオバランス差-70 dBまでほぼなし

サンプル品のチャンネルインバランス測定グラフ 出典: ASR

上記の結果はサンプル提供品での測定だったので、「SMSLが“ゴールデンサンプル”を送って来た可能性があるんじゃないか」と、amirm氏にわざわざ製品発売後に1台買って送ったフォーラムユーザーが居たようで、そちらの製品版での測定結果がこちら。

ASR実測値SP200(ユーザー提供品)
THD+N0.00015% @ 1 kHz, 5.603 V, 600Ω
-115 dB @ 300Ω
SINAD115.908 dB
SNR121.232 dB
ステレオバランス差-30 dB以降で音量差が顕著に

ユーザー提供品のチャンネルインバランス測定グラフ 出典: ASR

結果としてはTHD+NとSINAD、SNRは最大でも-2 dB前後の差でおよそ測定誤差と言える範疇ですが、チャンネルバランス差は大きく差が出ています。サンプル数が2つしかないので断言は出来ません(ユーザー提供品が大ハズレだった可能性とか)が、ボリュームノブの品質のバラつきが大きいのかもしれない。

そもそもの仕様としてSP200は最大出力がかなり大きく、スタジオ向けだったりドライブするのにパワーが必要な(能率の悪い)ヘッドホンやイヤホンを繋ぐ場合は問題にならないと思いますが、インピーダンスが低く高効率なものを繋ぐ場合は相応にボリュームを絞ることになるため、その時にステレオバランスがズレやすくなるのはあまりよろしくない。

高能率なモノを繋ぐときは(DAC側で)入力ラインのレベルを下げてしまう(DAC出力のSNRは下がるけどステレオバランスが狂うよりマシ)とか工夫が求められそうなので、その辺りを考慮した上で買うべきかも。

若干作りが甘い気もするがコスパで考えればアリ

色々書きましたが、THX AAAの出音のクリアさはお墨付きで、出力もパワフルで力不足でドライブできないヘッドホンも無いので、低能率ヘッドホンと組み合わせて使うなら特に欠点もなくコスパ最強のHPAと言えるかと。

外観(メーカーロゴや製品名と他のフォントが違って微妙に統一感がなかったり、筐体が平行四辺形の謎形状だったりする辺りとか)が若干ダサい気がしないでもないですが、その分安いと思えば全て許せる。単機能HPAなので、DAC付属のヘッドホン出力に満足できなくなった人とかに丁度良さげ。

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